がばい婆ちゃん

             がばいばあちゃん

 佐賀県唐津という、海あり、山あり、川ありの長閑な田舎町で生まれ、小学四年までの十年をここですごした。

 夏は海で波と戯れ、冬は山でウサギを追いかけ、春には川でドジョウを捕まえて遊んだ。絵に描いたような昭和20年代から30年代初めの日本の田舎の原風景のような中で育った。

 年のせいかこの頃のことを最近よく思い出す。

 

 毎年、お盆やお彼岸には祖母が必ずおはぎを作ってくれた。

日頃の野良仕事で爪はいつも畑の土で黒かったが、おはぎを作ってくれた後はなぜかいつもきれいだった。