社会の進歩を妨げるもの、それは⁉
「あなたたちを決して許さない‼」
国連の気候変動サミットで、当時16歳の少女グレタ・トウォンべリさんは涙ながらに訴えた。
プーチン大統領はいった。「彼女は情報不足だ、考えが偏っている」と。
習近平は何も言わない、何もしない、ただ権力闘争に明け暮れる。
気候変動に関する政府間パネルの最新報告書には、温暖化による氷床の縮小と海面上昇が進んでいる。とある。
何をいまさら、これにしたってグレタ・トウンべリさんの生まれる前から指摘されてきた来たことだ。
フランスの新聞フィガロ紙は、グレタさんは「ノン」ばかりで解決策を示さない。と書いた。
「アホか!おまえは!」解決策なら俺でも知っている。あんただって知っているだろう、フィガロさん。それを書くのがあんたの役割。
書かなかったあんたを彼女は ”決して許してはくれない”
分かったか!ボケ!
気候変動サミットでは、世界の政治家達は子供のようにふるまい、子供たちがリードした。何かが思い浮かぶ。日本の幕末、明治維新が。
幕末のころ日本の若者は理想を掲げて京をめざした。今、心ある世界の若者はニューヨークを国連を目指す。そして老人は、昔も今も闊歩する。
社会の進歩を妨げるのは若者の暴走ではない、老人の闊歩である。
とまれ、痴呆老人にも一つだけ使い道がのこっている。
昔、江戸の町では、近郊の百姓が大根と糞尿を交換し、肥料とし、糞尿は大根となり、大根は肥料となった。
一人の老人が大阪で立ち上がった。
水洗トイレを廃止して汲み取り便所にもどろう!と。
しかし、老人の志はウオシュレットの前に儚く散った。これが実現していれば、痴呆老人も ”肥料製造機“ として少しは役に立てたのに。残念である。
”なに?フイガロ紙?
それは、尻拭き紙”
釜ヶ崎にて
”山手線の電車に跳ね飛ばされて怪我をした。
そのあと養生に一人で但馬の城崎温泉へでかけた。”
志賀直哉の”城崎にて”はこうはじまる。
この中に、次のような一節がある。
“ネズミは一生懸命泳いで逃げようとする。ネズミは首のところに七寸ばかりの魚串が刺し貫いてあった。(中略)ネズミは這い上がろうとするが、魚串がつかえて、又水に落ちる。
ネズミは助かろうと、川の中へ泳ぎ出ては流される。”
これを読んで、ある男を思い出した。
男は自転車に跳ね飛ばされて怪我をした。仕事ができなくなって釜ヶ崎へながれついた。しばらくいたがなじめず、此処を出た。男は彷徨い歩き、気が付くと四天王寺に立っていた。
つかれきった男は倒れこむようにベンチに座り込んだ。
秋の風が吹いていた。微睡むように眠っていた。夢を見ていた。
暗闇から女の声が聞こえた。
「なに ”してんの” 下手くそ!」
四天王寺にて
「何してんの!」と叱られた。ここにも男の居場所はなかった。
安らぎの場所を求めて男は彷徨い、いつしか東京へ流れ着いた。
晩秋の風は冷たく、疲れた体をいたぶる。
闇の中から切ない女の声が聞こえる。
「私たちこんな事して ”いいのかしら”」
井の頭公園にて
こんな事していいのかしら、と自責の念にかられ、男は又旅に出た。
通天閣は哭いていた。釜ヶ崎は雨に濡れていた。男は又ここへもどってきた。
それから三年になる。
釜ヶ崎にて
”
男は生き返った!
男が倒れた。病院へ駆けつけると手術は終わっていた。
まだ麻酔の冷めない男の横で、医師が家族に何やら説明している。
「右半身に麻痺が残るでしょう」すると、まだ意識のないはずの男の左手が静かに動いた。
”右を向いていたチンポを掴むと、そーっと左へ”
麻酔から醒めると男は、看護婦にきいた。
ここは? 病室ですよ。
あの音は? お経ですよ。
隣りは? 葬儀場ですよ。
隣りの人たちは? 皆さん入れ歯ですよ。
歯ぎしりは聞こえませんよ。聞こえるのはお経だけですよ。
安らかに眠れますよ。 天使の様な優しい声で看護婦は言った。
回復に向かっていた男の症状が急に悪化した。担当医は一両日が山という。
か細い声で男は娘にいった。
オソトミタイ サクラミタイ
娘はあきれた。死をまじかにして父は、昔の女、さくら姐さんのオソソが見たいという。それでも最後の願いだ。叶えてやることに。
”股広げ さくら姐さん オソソ見せ”
男は声を振り絞り、震える声でいった。
「観たいのは オソソじゃないの オソト」
「さくらのオソソじゃないの オソトの桜なの」
それでも男は、右半身に麻痺が残ったものの回復した。
退院すると車いすの生活が始まった。俺は娘に教えてやった。「三途の川は25mある。
泳げない奴は何度でも舞い戻る、と。
次の日娘は、嫌がる男を車いすに縛り付け、水泳教室へつれていった。
1週間がすぎた。
先生は言う。
「もうすぐ25M泳げるようになりますよ。」
娘は言う。
「先生、ターンはおしえないでね。」
懲りない男
男は一枚の紙をひらひらさせ、「おい、セックスしてくれ」と言いながら入ってきた。「なんやと!俺の女房に!」店の親父は怒った。 「なに怒ってんねん、これや、これをセックスしてくれ。」
何のことはない、SEXじゃなくてFAXのこと。そしてこの男は、「おい!この機械壊れてるで何回やってももどってくるで」と文句を言う、原稿が先方へ飛んでいくとでも思っているらしい。
これは、酒屋で立ち飲みをしていた時のこと。この時からこの男との付き合いが始まった。
「静かに!今からドレミの歌を“屁”で歌う。」マイクを尻にあてがい下腹に力を籠める、最大ボリュームのスピーカーから匂いがながれた。
「 ごめん! ”ド がでんと ”ミ” がでた。」
これは、去年の忘年会でこの男がやらかした本当の話。
「 おい、何とかしてくれ。」ある日、しょぼくれて男がやってきた。女癖の悪いこの男、よりによってヤクザの女に手を出した。
「『ちんぽちょん切るか、大阪湾に沈めるか、どっちにする!』とヤクザみたいなこといいよるねん、どないしょ」
「そら大阪湾のほうがええやろ、まだ寒ないし」「そう冷たいこと言わんと頼む」と何度も頭をさげる。少し可哀想になってきたし、義を見てせざるは勇無きなりともいう。
「よし、分かった!あとは俺に任せろ」
”弔辞は俺がよんでやる”