17歳、といえばー--。

 ”おれの稼いだ金だ!あの世まで持って行く!”

隣りのお爺さんは死ぬときこう言い残して逝った。

 棺は現金で埋め尽くされ、母親に言われ手伝っていた僕は尋ねた。

「全部でいくらあるの?」 「さあー、5億までは数えたけどネ、どおせ燃やして仕舞うものだし、まあー、その倍はあるだろうネ。」

    その時、ひらめいた!  勉強は苦手だけど一つだけ得意なものがあった”絵の模写”。

 得意の技で10億の小切手をつくり現金と入れ替えた。

  “お爺さんは10億の小切手とともに天国へ”

 

 

 このことがあって、よくお婆さんの家へ遊びに行くようになった。

 2ヶ月程経ったある日、何時ものように晩ご飯を食べに行くと、いつもに増して品数が多い。ごぼう、にんじん、たまごやき。これは大人になって知ったことだけど、

”たまご忽ち、にんじん2時間、ごぼう5時間”と言って全部精の付くものだそ

うだ。

 昔の女は今どきの女みたいに 「 ネ、しよっか。」なんて端ないことはいいません。 大和なでしこは奥ゆかしいんです。

 

 化粧はいつもより濃いみたいです。豆電球が灯っています。僕はまだ17歳です。しかし、エロ本のおかげで理論武装はしっかりできています。だけど実戦経験がまだ3回しかありません。それでも事は理論に沿って進んでいきます。

お婆さんはじっとして動きません。しかし、しばらくすると昔の感覚が甦ったのか、もぞもぞと動き出しました。”あっ!ここだな” 理論に沿って指の動きは早くなる。

  耐えられなくなったお婆さんは、

    耳に口寄せ、そうっと囁く。

          ”兄ちゃん、そこ違う、そこは皺!”